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馬鹿なこととITと馬鹿なことと競馬と変な資格が好きです。でも馬鹿なことはもっと好きです。

競馬の回収率を競うハッカソンに参加しています

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お久しぶりです。

現在進行形で、競馬の回収率を競うハッカソンに挑戦しています。

現在参戦中という事もあり、書けることはあまり多くありませんがちょっとそのことについて書いてみたいと思います。

 

いくら予想の精度を上げようとも競馬に絶対はない

いきなりですが、もうなんか端から自分の参戦理由を否定しているような気がします。

競馬というのは10何頭の馬と10何人の騎手とそれを取り巻く関係者、果ては馬券に夢を託すファンなど総勢何千何万人の意思がリアルタイムで進行するスポーツです。

(あくまでスポーツと書くのはギャンブルとしての競馬よりスポーツや畜産としての競馬に魅力を感じているからです)

そのため、ちょっとしたファクターの変動で順位はがらりと変わります。

いくら力が抜けていようと強い馬が必ず勝つわけではありません。

例えばものすごい強い3冠馬でも最終コーナーで曲がれずに外に逸走していき競馬にならないこともあります。

さらに言えば、その馬があまりにも強すぎて、コースに戻ってきて2着に入るという事だってあります。

 

騎手の人はめちゃくちゃ考えて乗っている

馬の考えていることはわかりません。なぜならば私が馬じゃないからです。でも騎手の人の考えはインタビューなどを見れば伝わってきます。

ほとんどの騎手については、競馬新聞などを読み展開、人気、枠順、対戦相手などについて熟考に熟考を重ねてレースに挑んでいます。

ただ、一部の天才騎手についてはそのレースの距離すら発送直前まで知らないという事もあるようです。

どの騎手がどのように考えているかというのは騎手の人数分だけ違いがあるわけです。

 

例えば、海外出身のあるJRAジョッキーは大きなレースになるほど勝ちたくてうずうずするそうです。そのため、一番人気の馬に乗っていても思い切った競馬をし、重賞を次々にかっさらっていきます。

 

一方で、人気になればなるほど無難に乗ろうとするジョッキーもいます。

「勝ちに行く騎乗」というのを言葉にすると、他の有力馬を自らつぶしに行き一着を狙う乗り方という事ができるでしょうか。

自ら動く、というのはその分リスクもあるため、勝てる可能性が上がる一方、人気よりも大敗してしまうという恐れがあります。

そのため、上位人気馬に乗ったときは「きれいに負ける」または「負けて言い訳がつく」乗り方になってしまうジョッキーもいます。

また難しいのが、その「きれいに負ける」乗り方によって実際に買ってしまうことも多々あるのが競馬です。

 

騎手は競馬新聞も読みますし人気も踏まえています。また馬主や調教師などの意図なども絡んでくるでしょう。

そうなってくると競馬なんてものはもう私の理解の範疇を超えています。

そんな何百人の意思を読み切ることは不可能です。人工知能でもなければ。

 

人工知能と競馬

そこで出てくるのが人工知能です。人工知能なら私の頭なんかよりもよっぽど多くの情報を計算してくれます。

そのため、レースの予想についてはこれまでよりもより高い的中率を示してくれるはずです。

人工知能ではないですが、私のソフトも似たようなアルゴリズムを採用しています。

具体的には挙げられませんが重回帰分析や統計的手法を使ったアルゴリズムで、人工知能との違いは学習をするかしないかという点のみです。

人工知能を搭載しなかったのは私の技術不足です。

しかし、人工知能を利用しない私のシステムにおいても、馬選びという点においてはかなり高い精度を示してくれます。

何もバイアスをかけずに購入するとそれなりに高い的中率を見せてくれます。

レースを当てるという点においては人工知能は非常に優秀だと推論できます。

 

人工知能の弱点

しかし人工知能にも弱点があります。

それが競馬のオッズです。

競馬のオッズは、対何万人の人間の総意で作られています。

一人の人間は弱くとも、多数の人間の総意となれば(オッズの仕組み的に)なかなかの精度を持ってきます。

払い戻し額の出方、確率などを分析した結果、オッズが着順に与える影響は、おそらく馬の能力を指標化したスピード指数や騎手の能力、血統などほかのファクターよりもだいぶ重くなると見ています。

そのためオッズとシステムが出す予想結果の相関がかなり高くなってしまうのではないかと私は仮定しています。

 

ところで、中央競馬にはJRAの取り分があります。

馬券が売れれば売れるほどJRAがもうかる仕組みです。

いくらレースを当てようが、人気通り買っていくとJRAの思うつぼになってしまいます。

例えば極論ですがこれからAIが発達して想定的中率100%のAIができたとしましょう。

そしてそのソフトの普及率が100%になったとしましょう。

そうするとみんな同じ馬券、どの馬券種も元返しになります。

ほとんどのレースがみんな100円かけたら100円帰ってくるというものになります。

3連単でさえです。

ただ競馬には、落馬、故障、どうしようもない不利などの不確定要素があります。

それが発生したレースはみんな馬券が外れてJRAが儲けることになります。

つまりロングスパンで見るとAIが進化しきった場合、JRAに負けてしまうという事になります。

極論なのはわかっています。

ただそうなるかもしれないという話です。

 

今回参加した理由

ではなんで今回参加したの?という疑問がわいてきます。

そもそもAIも使っていないのに何で参加する意味があるの?という部分です。

それは単純です。

当初の一番の理由は、病気によって頭を使わなくなって馬鹿になるのを防ぐためでした。

ただ今の一番の理由は別にあります。

これまでITストラテジスト、システムアーキテクトなどの仕事をしてきて(ほかの仕事をして来た期間のほうが長いですが)、限られたリソース、様々な制約の中で成果を出すという事をしてきました。

そんな中私が選んだ戦略が、AIに対して優位をとれるのか。人間代表とは言いませんが、試してみたいというのが一番の動機です。

 

まだ付け入るスキがあるはず

ある有名なAI将棋の開発者さんの言葉で印象に残っているものですが、「私にプロの棋力があればAIには負けない」というような発言があったかと思います。

まだまだAIに対しては人間が付け入るスキはあるよと思わせてくれるとても勇気づけられる言葉です。

競馬には絶対がないからこそ、まだ人間のロジックの組み方次第でAIに勝つことは可能だと思っています。

 

ここで唐突に好きなレース

長くなってきたので最後になりますが、私の好きなレースはクロフネの武蔵野SとエルコンドルパサーのJCです。

さんざん競馬に絶対はないと言ってきたのですが、この2レースを見ていたらもしかしたら競馬に絶対ってあるのかもと思わされます。

競馬はロマンだと思います。そしてグラスワンダーよりもエルコンドルパサーのほうが強いと思います。という火種をまいてこの記事のまとめとさせていただきます。