カカクコムの「食べログ」、PCデポとtwitterからの情報のリークにより上場企業が連日炎上しております。
カカクコム、PCデポともにその情報から株価にも影響が出ており、特にPCデポについては対応の不味さから大幅に株価を落としました。
twitterが浸透してからもうかなりの年月が経っていますが、そんな中ITにかかわる企業が連日炎上しているのは非常に興味深いところです。
食べログの炎上
食べログの炎上はtwitter上で食べログの実質的な顧客である、飲食店経営者からのリークを元に起こりました。
内容としては、食べログのネット予約機能を否定した店舗の食べログの評価が3.0にリセットされたというものです。
食べログについては2011年の12月に発覚した、評価やらせ事件に続き5年ぶり2度目のスキャンダルです。
Twitterのリークを正とするならば、食べログ側としてはネット予約機能を今後の主軸としてとらえており、それを受け入れる店舗ほど検索されやすいようにしたかったように見受けられます。
ネット予約機能を取り入れたくない飲食店からしてみれば、それは「食べログ」というブランドの力にものを言わせた半ば押しつけに近い行動であり、それに対する反発心からtwitterに情報がリークされたとみることが出来ます。
PCデポの炎上
PCデポについては、痴ほう症の老人に高額なサポートを契約させ、それを解約しようとしたところ法外な違約金を取られた、というところから炎上がスタートしています。
その後、サポート契約の解除に対するPCデポ側の対応の不味さ、ノルマはないと言っているのにノルマ同然のとうぜんカード(気持ち悪い名前です)など、毎日のように炎上しています。
毎日のように炎上しているので詳細はここでは割愛しますが、こちらはいつ鎮火するかわからないほど燃えているので大したものです。
両社に共通する強者と弱者のWin-Loseの関係
両社に共通しているのが、物を提供する側が強者であり顧客が弱者の関係にあるという事です。
食べログの場合はそのブランド力を背景に飲食店にネット予約機能の契約を迫りました。
一方PCデポは情報弱者である老人、もしくはITリテラシーの低い人を対象に必要のないものまで売りつけようという姿勢が炎上の元となりました。
これはいわゆるWin-Loseの関係です。
強者が弱者から搾取するという構図は、人間の文化誕生以来今日まで常に存在します。
別に特別な事ではないのですが、SNSの発展によりその様相が変わってきました。
TwitterなどのSNSの発展で窮鼠がネコを噛めるようになった
今はTwitterなどのSNSの発展により、誰でも情報が発信できる社会です。
黎明期を超え、SNS文化が成熟しています。
そのため、あからさまなWin-Loseの関係に対しては、個人がメディアとしてSNS上で情報発信できるようになりました。
今回の2件もSNS以前であれば週刊誌などが発表しない限り明るみには出ない問題です。
しかしSNS発展後の今においては個人がメディアとなり情報発信をできるようになったため、あからさまなWin-Loseの関係を敷く企業はTwitterで告発されてしまいます。
昔は個人のたわごととして処理されていた少数派の意見が株価に影響を与えるまでに成熟してきています。
企業に求められるWin-Winや三方よしの関係
ベストセラー「7つの習慣」などでも良く取り上げられているのがWin-Winの関係です。
また日本には古くから近江商人の三方よしという考え方があります。
売り手にとっても買い手にとってもいい関係というのがWin-Winの関係であり、そこに世間にとってもいいという概念を加えたのが三方よしの考え方です。
21世紀に入りCSRが重要視されるようになった現在、ほぼすべての企業が表向きは三方よしの企業理念を謳っています。
しかし、現実に全ての企業がそれを実現しているとは言えない状況でしょう。
しかし、SNSの発展によりそれに向けた努力を行わない企業は常に炎上のリスクを抱えていると言える時代になってきました。
今や、動画や音声、文書などすべての情報がSNSに挙げられる時代になっています。
Win-Loseの関係を一度作ってしまった企業はあらゆる証拠を元にリークされる危険があるという事です。
そのため企業には真のCSRを目指した経営が求められるでしょう。特に大企業には三方よしを実現させない限り炎上のリスクにさらされています。
今後、個人のメディア化によりWin-Loseの関係を押し付ける大企業の炎上案件が増えるのではないかと個人的に危惧しています。