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骨巨細胞腫闘病記とその予後体験記

たまには少しはまじめな話を。

私は25歳のころに骨巨細胞腫であることが判明し手術して今8年がたちます。

主治医の先生に言われたのは10万人に1人ぐらいがなる病気だという事と、良性の骨腫瘍の中では一番悪性に近いという事でした。

今も半年に一度再発がないか通院中です。また、いずれ手術した場所を再手術する可能性があるという事も告げられています。

ネットを探してもあまり闘病記が多くない病気なので、もし骨巨細胞腫になり不安に感じている人がいた場合に少しでも励ましになればと私の体験記を残しておこうと思います。

異変に気付いたのは20歳のころ

初めに異変に気付いたのは20歳の頃でした。

私は大学時代、フットサルサークルに所属する友人の練習に付き合う事を趣味にしていました。

中学生時代サッカー部に所属していたため運動不足解消も兼ねて行っていました。

しかし二十歳を過ぎてから練習をしていると左足の膝がねん挫したような感覚に襲われる機会が多くなりました。

その後、骨巨細胞腫が発覚するまでずっと左ひざがねん挫しやすくなっていると思っていました。

25歳のころ骨巨細胞腫であることが発覚

25歳のころ私は商品開発部に所属しており、試作品を運んでいました。そしたら急に足を躓いていつもの左足をねん挫。歩けなくなり会社の同僚に連れられて市内の病院に行きました。

レントゲンを撮影し30分ほど待ったあとでしょうか。整形外科の先生に呼ばれ1枚のレントゲン写真を魅せられました。

そこに映っていたのは私の左ひざの写真。脛骨の上部のハートの部分の中にテニスボール大の丸い影が映っていました。

そこで整形外科の先生に言われたのが、恐らく骨巨細胞腫であるだろうという事。しかし、まだそれも断定できないという事。非常に珍しい病気で治療は大学病院でしか行えないという事でした。

私は大学病院への紹介状をもらい、後日大学病院を訪れました。

大学病院での手術

大学病院に行き再び精密検査を行いました。検査の結果は恐らく骨巨細胞腫だろうという事でした。

しかし、実際にどのような腫瘍なのかは手術してみないとわからないともいわれました。

発覚が遅くなったこともあり腫瘍はかなり巨大化しており、手術以外治療手段がないことを告げられました。

骨巨細胞腫は良性の腫瘍です。しかし、良性の骨腫瘍の中ではかなり悪性に近い腫瘍であるといわれました。

その理由は再発率の高さと、低確率で肺転移の可能性があるという事です。

通常良性腫瘍の手術では、取り除いた腫瘍の跡にその後骨と一体化する物を充てんするのが一般的です。

しかし骨巨細胞腫の場合、再発のリスクが高いため骨になる素材は使えません。代わりに悪性腫瘍などに使われる骨セメントを充てんします。

また、腫瘍が大きくなっていたこともあり、手術の後走れなくなったり、正座が出来なくなるかもしれないというリスクも伝えられました。

その後入院日、手術日が決まり私は大学病院に入院しました。手術日は偶然にも私の誕生日でした。

手術は1時間ほどで無事成功しました。

手術跡は約15cm、今でも私の左足に残っています。

その後2週間ほど入院し私は退院しました。

その時、男性看護師に言われた「この病院に入院した人は半分ぐらいは戻ってくる」という言葉は今でも脳裏を離れません。

リハビリ期間

退院後、松葉杖で生活しながら市内の初めに運ばれた病院のリハビリテーション科でのリハビリ生活が始まりました。

リハビリ期間はそれほど長くありませんでした。3カ月ほどかけて松葉杖が取れて普通に生活できるようになりました。

リハビリ期間の思い出としては、一度松葉杖が取れてすぐに友人と快気祝いという事でボーリングに行きました。

そのボーリング場でボーリングを楽しんでいたところ急に手術跡が痛み出し、大学病院に救急搬送されました。

これは完全に私の不注意でした。骨セメントと骨が十分になじむ前に負荷をかけてしまったため、手術した場所に微細な骨折をしてしまったのです。

そのことでは私は、自分の足にセメントが入っていることを強く意識するようになり極力無理な運動は自粛するようにしています。

8年たって今

8年たって今、私は骨巨細胞腫が再発することもなく、肺転移も発見されていません。もちろん今後骨セメントが老朽化し再手術する可能性や、骨巨細胞腫が再発する可能性は0ではありません。

しかし、普通の人と変わらない普通の生活を行うことが出来ています。リスクとして説明された正座もできるようになりましたし、軽いジョギングや本気ではないスプリント程度なら全然できるぐらいに回復しています。

手術をしてくれた先生には感謝してもしたりないと思っています。

もし、今骨巨細胞腫を宣告され手術を待っている人がこれを読んでいたら、すごく不安な気持ちだと思います。

しかし骨巨細胞腫は手術すれば良くなる病気です。

実際に私は手術後8年たって普通に生活することが出来ています。

もちろん私も今後、この病気とは経過観察という形で一生付き合っていきます。

もしかしたらいずれ再発するかもしれません。

それでも今は普通に生活しています。手術していただいた主治医の先生には重ね重ねお礼申し上げます。