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W杯最終予選初戦、日本対UAE1-2で敗れた試合の感想。中東の笛除く。

W杯最終予選初戦、日本はUAEに1-2で敗れました。

過去5回のデータから初戦を敗れたチームはW杯に出場できていないという嫌なデータもあります。

日本は幸先の悪いスタートを切りました。

正直試合を左右したのは審判の笛の影響が大きかったと思いますが、そこを抜きにして感想を書いていきたいと思います。

 

大島選手のパススピードの遅さが気になった

W杯最終予選初戦でA代表初先発だったという事を考えると無理はないかもしれません。

しかし、大島選手のパススピードの遅さが気になりました。

オリンピックの時は、大島選手よりその相棒である遠藤選手のパススピードの遅さが気になったのですが、A代表となるとやはりレベルが上がりますね。

Jリーグがレベルが低いとは言いませんが、やっているサッカーの質が欧州や中東とは違うためJリーグのパススピードではやはりボールを奪われてしまいます。

代表選で見てて多いのが、最終ライン、ボランチでの遅い横パスをかっさらわれてショートカウンターで失点するという場面です。

UAE戦も実際得点に結びついたのはセットプレーでしたが、その前に横パスをカットされファールせざるを得ない状況にさらされました。

ちょうど昨日サンスポに出てた記事ですが、やはりJリーグのパススピードは実際に遅いようです。

Jリーグの村井満チェアマンが「世界とのギャップを明らかにする」との考えから「PUB Report」を発表。そこでは、欧州チャンピオンズリーグでのレアル・マドリード(スペイン)とJリーグのプレーを数値で比較しており、15メートル未満のパススピードはJリーグの秒速8・29メートルに対し、レアルは9・45メートルと大きな差があることが記されている。

この試合でも吉田選手や長谷部選手は結構シュートに近いようなスピードの縦パスを香川選手や本田選手、清武選手に通していましたが、大島選手からはそういうパスはあまり見られませんでした。

でもこれは遠慮もあったのかもしれません。今後の活躍に期待ですね。

ゲームを作っていた清武選手の交代に疑問

試合中もう一つ疑問に思ったのが前半ゲームを作っていた清武選手の交代です。

コンディション面もあるのかなと思いましたが、前半ゲームを作っていたのは確実に清武選手でした。

しかしこれは、ハリルホジッチ監督の試合後の記者会見で疑問自体は解決しました。

「FWとしてのプレーを求めたが、背中を向けてしまっていた。清武は火曜日に日本に到着した。50分から60分が限度だと予想していた。宇佐美も考えたが、彼もクラブで長い時間、プレーしていない。武藤も考えたが、武藤も向こうではほとんど試合に出ていない。原口は中盤で考えていた。できることはやったと思う。清武にはプレースピード、背後、オブリックランニング(斜めの走り)を要求したが、少し背中を向けてプレーしてしまった。プレースピードが遅かったせいで香川を見つけることができなかった。DFからのパス回しも遅く、相手に読まれるようなパスもしてしまった。2回、3回とダイレクトでパスをつなぐこともできなかった。そういうプレーが続かないと、良いプレーはできない。

監督は、ラインコントロールをしてくるUAEに対して、裏抜けやショートカウンターの起点、などを清武に期待していたようです。

そう考えると、武藤選手の方が適任にも思えますが、コンディション的に消去法で清武選手を選んだという事です。

しかし、清武選手は基本的にはゲームメーカーです。

その役割は十分果たしていたと思いますし、ゴール前でもある体を入れてのポストプレーなど程度違いを見せていたと思います。

どちらかというと香川選手の方が消えていた時間が多かったので、清武を中に入れて宇佐美と香川を交代するかと思っていたのですが、清武自身のコンディションが90分持たないという判断だったようです。

やはり海外組が増えるとコンディションの面が問題になってきますね。

監督のやりたいサッカーが見えない

ハリルホジッチ監督のサッカーは基本的には奪ってから素早くゴールを目指すサッカーです。

そのためには、前線から連動した守備が重要になってきます。

そういう意味で今回の試合の両ウイングの選択と中盤の選手の選択には疑問が残ります。

岡崎選手はレスターさながら前線から積極的な守備を見せていました。

しかし1.5列目に陣取る3人はどちらかというとゲームメーカータイプの3人で汗をかくタイプの選手ではありません。

また中盤の底の大島選手も攻撃的な選手でかつ代表初出場で、守備面では連動性を見せられませんでした。

長谷部選手は攻守にわたりミスもありましたが、さすがキャプテンという動きをしていました。

それでも他の選手が連動しないと中盤を支配されてしまいます。

これが本当にハリルホジッチサッカーの核となる前線から中盤での守備に適した人選だったのでしょうか。

最高の選手と最高のチームは違う

今回の試合の先発メンバーはおそらく今の日本代表の中で最高の選手を集めたチームだと思います。

しかし、最高の選手を集めたチームが最高のチームではないことはジーコジャパンが証明しています。

今回のUAE戦でハリルホジッチ監督のやりたいサッカーをやるのであれば、岡崎を一列下げて、前線に武藤か浅野を入れるという選択肢の方がよかったのではないかと思います。

今回の先発メンバーで前線から中盤で汗をかける選手は岡崎選手と、あとはしいて言えば長谷部選手ぐらいでした。

しかし長谷部選手もどちらかというとオールラウンダータイプで純粋な汗かき役の選手とは言えません。

今回の代表メンバーの人選でいえば汗かき役になれるのは山口選手か遠藤選手だと思うのですが、二人ともそこまでコンディションがよさそうではありませんでした。

考えれば考えるほど難しいですね。

疲労も考えられる。何人かの選手はプレーを実行するだけのフィジカルコンディションになく、何人かの選手はほとんどプレーできなかった。なぜこの選手を選んでしまったのか、自分でも疑問に思っている。しかし、他に良い選手がいなかったのが理由だ。責任はすべて代表監督にある。

ハリルホジッチ監督は試合後のインタビューでこう答えていますが、もうこれが答えなのかもしれません。

海外組は貴重な戦力ですが、日本への渡航で疲労が出てしまいます。

かといってJリーグの選手では遅いパススピードとディレイを中心にした守備でローカルに発展したサッカーになってしまいます。

ゆったりとしたミス待ちサッカーでは中東相手には分が悪いでしょう。

コンディションの問題、やってるサッカーの質の問題も含めて日本代表は今過渡期に入っているのかもしれません。