会社にはいろいろなタイプの人がいます。要領がよくうまくさぼりながら結果を出す人、何事も一生懸命に取り組む人、仕事に懸命に取り組みすぎて上司からもう少しうまくサボれと注意されてしまう人など、仕事のスタンスも様々です。
これらの人の中で圧倒的に得をするのはうまくサボりながら結果を出す人です。
人のリソースには限界があります。時間も体力も無限ではありません。何事にも一生懸命に取り組むのは素晴らしいことですが、それをもって評価されるのは難しい時代になってきています。
日本人は働きすぎであるという言説がある一方、ある調査では先進国の中で日本の労働生産性が低いという問題が指摘されています。
労働生産性を上げるには仕事に優先順位をつけながら上手くサボることが必要になってきます。
上司からの仕事を最優先する
うまくサボる上で重要なのが、上司の評価です。上司から「あいつは自分で考えて動ける」という評価をもらうことにより、自らのタイムマネジメントできる範囲が広がります。
通常仕事の優先順位を決めるのは緊急性と重要度のマトリックスです。あるいは緊急性と難度のマトリックスから重要度をはかるという考え方をしてもよいでしょう。
しかし、人間は主観的な生き物です。いくら客観的に自らの仕事を評価したとしても、100%客観的に俯瞰で見ることはできませんし、上司も人間なので評価上100%客観的に見ることは不可能です。
そのため、上司からの評価を得るためには、客観的な重要度よりも上司からの指示を優先することが重要になります。
上司からの指示を優先することにより、少なくとも上司からは悪くない評価を得ることができます。
同僚や、部下からの依頼は少しぐらい後回しにしてサボってしまえばいいでしょう。
なぜならば、まず上司から「自分で考えて動ける人間である」という評価をもらわない限り、自分でタイムマネジメントをする範囲が狭くなってしまうからです。
ずるいようですが、あくまで自分が仕事をしやすくするための下準備として上司からの仕事を優先することが重要です。
仕事の重要度を整理し重要度の低い仕事はあえてやらない
次に行うべきなのは、自分の持っている仕事の整理です。
自分が抱えている仕事それぞれが、どれぐらい重要なのか、どれぐらい緊急なのかをマトリックスで評価します。
最優先すべきは重要で緊急性のある仕事
まず手に付けるべき仕事は重要であり緊急性のある仕事です。
この仕事は、あなたの評価に直結するものであり、決して手を抜いてはいけません。
いつもサボっていながら結果を出すように見える人も、このカテゴリに入る仕事については手を抜いていません。
むしろこの仕事に全力投球しているといってもいいでしょう。
次に行うべきは緊急だが重要でない仕事
次に手を付けるのは、緊急だけれども重要でない仕事です。
お礼メールの返信や、相談事に対するリアクションなど5分程度で終わるものはさっさと片付けるのが一番です。
ここで考えたいのが、この仕事をどれぐらい頑張るかです。
仕事に優先順位をつけられない人はこのカテゴリの仕事にも全力で取り組みます。
しかしここにカテゴライズされる仕事はあなたが一生懸命に取り組んだところでリターンは大きくありません。
そのため、メールの送信であればテンプレートを用意しておいて必要なところだけ変えるであるとか、同僚や部下からの相談事はより詳しい人に聞いてもらうなど楽に仕事ができるよう努力したいところです。
重要だが緊急性のない仕事
処理が難しいのが、重要だが緊急性のない仕事です。
こういう仕事については、一生懸命頭で考えながら実際は手を付けないぐらいがちょうどよいでしょう。
今のビジネスシーンは日々移り変わっています。昨日のYESが今日のNOなんてことは日常茶飯事です。
あなたが評価した、緊急性はないが重要な仕事は、明日になれば重要でなくなっている可能性もあります。
話自体がなくなる可能性だって少なくありません。
そのため、対応できるよう頭では考えておく必要はありますが、柔軟に対応できるようにある程度サボって手を抜いておいたほうが後々楽になります。
重要でもなく緊急性のない仕事はしない
最後に残ったのは重要でもなく緊急性のない仕事です。
これについては極力手を付けないほうがいいでしょう。
自分の中でなかったことにしてしまっても構いません。
やったとしてもやらなかったとしてもあなたの評価に関係のない仕事です。
思いっきりサボるべきカテゴリといえるでしょう。
しかし、それが上司の指示だった場合は別です。
評価に直結するためすぐに終わらせて提出してしまいましょう。
60点の出来で提出する
提出という言葉が出ましたが、3つ目のさぼり方は仕事の提出に関してです。
何事も一生懸命になってしまう人は、完璧主義者の傾向があり100%の仕事をしようとしてしまいます。
しかし人間は主観的な生き物です。
その100%の仕事はあなたにとっての100%なだけであり、相手にとっての100%ではありません。
目指すべきゴールがずれていた場合、100%の状態で提出すると修正に多くの労力を割く必要が出てきます。
それを防ぐために100%頑張ろうとせず、まず60%の出来で提出してみることが重要です。
60%の段階だと依頼者と方向性がずれていた場合に修正する労力も少なくて済みます。
なにより、相手が60%の出来のものを求めていた場合、そこで仕事が終わる可能性もあります。
サボっているように見える人は意外とサボっていなかったりする
普段サボっているように見えて仕事で結果を出す人は、実はこれらの優先付けや力配分が上手で、生産性が普通の人より高かったりします。
意外とサボっているように見えても、常に最大の結果を出すには今何をすべきか考えているのです。
そうすることによって、力を入れないといけない仕事、力を抜いてもいい仕事、自分でやらなくていい仕事などを判断し、手を動かす時間が少なくなっているのです。
これからの社会は労働生産性が重要視されていきます。
その中で評価されるのはそういうサボっているように見えて結果を出す人です。
一生懸命頑張って空回りして評価をされないというのは一番損な役回りです。
この先生き残るには、優先順位をつけ自分がすべきことに力を入れて他は力を抜くという習慣を覚える必要があります。